循環器内科
循環器内科
狭心症とは、心臓に供給される酸素が不足するために胸に一時的な痛みや圧迫感が起きる病気です。冠動脈(心臓の動脈)に狭窄が起こると、血流が制限され酸素供給不足となります。狭窄は通常、動脈内に脂肪分が沈着すること(動脈硬化)によって発生しますが、冠動脈のけいれんによって発生する場合もあります。
動脈硬化による狭心症が最初に発生するのは、運動をしたり精神的に緊張したりすることで、心臓が普段より激しく働き、通常より多くの酸素が必要になった状況であるのが通常です。動脈のかなりの部分(普通は70%以上)がふさがると、安静時にも狭心症が起こるようになります。重症の貧血によっても狭心症の可能性が高まります。貧血では、赤血球(酸素を運ぶ)の数や量が異常に低下します。その結果として、心筋に供給される酸素の量が減少します。
心筋梗塞とは心臓(心筋)が酸素不足になり壊死(壊れる)する病気です。
冠動脈(心臓の動脈)の壁にコレステロールなどが沈着すると、瘤のように盛り上がった粥腫(じゅくしゅ)ができます。薄い膜で覆われている粥腫が傷つくとその回りに血栓がが重なり、傷口を塞ぎ、血流を更に悪くします。これを繰り返し、血栓が大きくなると冠動脈を塞いで血液を堰き止めてしまいます。そのため酸素不足となった心筋細胞が壊死を起こすのです。心筋梗塞の発作を起こす3~4週間前に狭心症の発作を起こしていた人も多いといいます。
心臓には4つの弁(大動脈弁、肺動脈弁、三尖弁、僧帽弁)があり血液の逆流を防いでいます。弁に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態を「心臓弁膜症」といいます。心臓弁膜症には大まかに2つのタイプがあります。「狭窄」は弁の開きが悪くなって血液の流れが妨げられる状態です。「閉鎖不全」は弁の閉じ方が不完全なために、血流が逆流してしまう状態です。様々な症状(動悸・息切れや失神、不整脈など)を来たします。
不整脈とは、一連の心拍が不規則、速すぎる(頻脈)、遅すぎる(徐脈)、あるいは心臓内で電気刺激が異常な経路で伝わるなど、心拍リズムの異常のことをいいます。不整脈自体をお薬で抑えることより基礎疾患や心不全、その他の合併症の有無が重要とされ、それらに対する治療目標がたてられます。薬物治療の代表としては予後改善のため(心不全予防)の心臓の働きを抑える薬(β blocker)を内服します。一方、ICD(植込み型除細動器)やアブレーション(不整脈の原因となっている個所を焼く治療法)などの非薬物治療の有効性が示され、特にICDは命に係わる不整脈の治療には重要な役割を果たします。
心不全とは、「なんらかの心臓機能障害すなわち、心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果、呼吸困難・倦怠感や浮腫みが出現し、それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群」と定義されています。
分かりやすく言うと『心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気』とされています。
以前は急性心不全・慢性心不全と区別しておりましたが早期の治療が必要との観点から意識されなくなってきています。原因としてはほぼすべての心臓疾患、大動脈疾患、内分泌異常などの様々な要因で発生します。
症状のないものから軽度の聴診音の異常、動悸・息切れ、心原性ショック(血圧低下、チアノーゼ、意識障害など)と程度は様々です。高血圧症、不整脈、弁膜症、狭心症など心臓のご病気で通院中の方は注意が必要で、定期的なメンテナンスが重要です。
主に下肢の血管が動脈硬化によって硬く細くなって、血液の流れが悪くなり血行障害が起こり、栄養や酸素が十分に届かなくなる病気です。加齢に加えて、喫煙、運動不足、脂質異常症・慢性肝臓病・肥満・高尿酸血症・高血圧症などの生活習慣病が発症に深く関わっています。
初期には、手足がしびれたり青白くなって冷たくなったりする程度ですが、進行すると少し歩いただけで足、特にふくらはぎが痛むようになります。その後、安静にしていても足が痛むようになります。60歳以上、特に70歳以上の男性に発症しやすく、放置し悪化するとバイパス術や下肢の切断が必要となる事もあるので早期の対応が重要です。